志鍼流!聞診のコツ【石丸塾長の解説】

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鍼灸施術

志鍼塾 塾長の石丸です。今回は「聞診のコツ」についてお話したいと思います。

四診法の望・聞・問・切の中の聞診についてです。

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「聞」と「聴」

聞診の「聞」には同じく「きく」と発音する「聴」という漢字もあります。しかし、あえて聞診が「聞」の字とされているのは、「聴」と比較して「耳に聞こえてくる」という意味合いが強いからです。「聴」には「しっかりと耳を傾ける」というニュアンスがあり、聞診では聴くのではなく、ぼんやりと聞こえてくる感じが重要となります。

心静かに全体図を感じとる

『素問』の脈要精微論の中に「持脈有道 虚静為保」との記述があります。これは「何も考えずに心静かに診察することが大切」という意味です。このように「聴く」のではなく、「聞こえてくる」ものを診断するのが聞診です。

もちろん、患者様に問診をしている時などは真剣な眼差しで接する必要がありますが、心の中は心静かに診察する気持ちでいることが重要です。「聴く」のではなく、「聞こえてくる」という点が全体図をみているようで非常に東洋医学的だと感じます。

嗅ぐ診断方法

また「聞」の漢字の中には「きく」の他に「嗅ぐ」という意味があります。五臓の状態を判断する基準に「生臭い」や「腐れ臭い」などの臭いがありますが、これは聞診の「聞」に「嗅ぐ」という意味があることに由来します。

聞診で感じられる特徴

私の印象ですが、実際に「聞く」方の聞診を行うと下記のような特徴があるように感じます。

肝に変動が出やすい方

・甲高い声で話す
・非常に通る声をしている
・早口
・人の話をあまり聞かない

肺が虚している方

・か弱い声で話す

腎が弱っている方

・声がかすれて出ない
(風邪などではなく常にかすれている)

次に「嗅ぐ」方の聞診では、実際には喘息の方が必ず生臭い臭いがするわけではありません。また、腎虚の場合は腐った臭いがするとされていますが、基本的にはそのような臭いはしません。たとえば、非常に腎が弱っており透析をしているような方や透析寸前の方にまれにそういった臭いがする場合があります。

嗅覚が弱り臭いがわからなくなってしまった方から生臭い臭いがしたケースもありましたが、五臓がかなり弱っている場合に臭いが出る程度だと感じます。ですので、脾虚の方、肺虚の方、腎虚の方がすべて臭うわけではなく、まれに臓腑が弱っている時に臭いがあると考えてください。

私としては、口臭ではなく体から出る臭いが臓腑とあてはまる場合には「かなり弱っている」と判断するとよいかと思っています。

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