鍼灸一本で鍼灸院を経営していくための心構え

経営

足の脈診

志鍼塾 塾長の石丸です。

私が鍼灸学生時代にある先生がこう話していました。

「1クラス40~50人の生徒がいるとしたらその内の1人が鍼灸でやっていけたらいい」
「ほとんどの人は鍼灸ではやっていけない」

これは現在でもあまり変わっていないでしょう。

確かに「美容鍼」や「不妊専門の鍼灸院」は時代の流れで需要も増えています。施術内容を絞ることで経営的にはラクになるかもしれませんし、否定するつもりはありません。

ですが、ここではあくまで「鍼灸のみ」であらゆる症状を改善していく、マッサージや整体を行わない鍼灸一筋の鍼灸院がどうすればやっていけるかという心構えについてお話しさせていただきます。

鍼灸院の経営について

西洋医学が得意なこと

何か症状があるときに病院(西洋医学)を頼るべき疾患の代表として、まず細菌感染症があります。抗生物質がよく効くと言われています。

次は外科です。そして、生死に関わる救急救命。最後に検査です。頸動脈の狭窄といったことから血圧や肝臓や腎臓の数値を見られるのは西洋医学ならではです。また、一型糖尿病や透析が必要な方にとっても西洋医学は不可欠です。

元々西洋医学の出発点は外科です。カルテがドイツ語だったのは第二次世界大戦の時にユダヤ人を迫害し、人体実験を繰り返して効果を高めた結果です。戦場で負傷した兵士を治療する際に縫合し、黴菌を除去してまた戦場に向かわせていました。そうして培われた救急救命や外科の技術が今でも一番得意なところです。

西洋医学の問題点

一方で慢性症状の治療は不得意と言わざるをえません。高血圧に対しても一生薬を飲ませる治療しかないのが現状でしょう。

生理痛
花粉症
慢性扁桃炎
後鼻漏
潰瘍性大腸炎

などの慢性症状で、病院(西洋医学)で治せるものはありません。

例えば、ある人が鼻に症状があり、眠りが浅く、皮膚症状や生理痛、頭痛があるとします。こういった場合、病院(西洋医学)では、

生理痛は「婦人科」
頭痛は「脳神経外科」
肩こり・腰痛は「整形外科」
鼻は「耳鼻咽頭科」

と分け、全て対症療法となります。

医療の理想形

本来は、

・細菌感染症、救急救命、検査、一型糖尿病、透析などは「西洋医学」
・それ以外は「東洋医学」

と症状によって医学の種類を変えるべきです。慢性症状に対しての東洋医学の優位性は私の14年の施術経験からも感じています

しかし、現状では慢性症状を抱えた方も全て西洋医学の病院に行っていることがほとんどでしょう。

あらゆる慢性症状が治す力をつけよう

慢性症状でお悩みの方は本当に困ってます。そういった方をしっかりと改善できる力があれば、鍼灸院としても経営が成り立ちやすいですし、社会貢献度も高くなります。

実は、「あらゆる慢性症状を治せます」という治療院は世の中には非常に少ないです。病院(西洋医学)では治せないところがほとんど。そして東洋医学を掲げているところならどこでも治せるかと言えば、治せないところが多いのも現状です。

何割くらい治せるか?

東洋はり灸整骨院は受付を含め、27人で運営しています。求人募集をかけて面接すると、前の院では院長や副院長だった方、整形外科で8年間働いていた経験がある方など腕に覚えがある様々な人が来ます。そこで、「あなたの前に100人の患者さんがいるとしたら、その内の何割くらい自信を持って治すと言い切れますか?」と聞くと全員が2~3割と答えます。

私も以前、カイロプラクティック整骨院で働いていました。そこのやり方で施術をしていると、なぜか2~3割の人が改善するのです。同じようにやるのに7~8割の人は良くなりません。しかも、良くなった人が、「前の施術で便秘が良くなったからもう一度お願いします」と言ったとしても何が効いたかもわからないのです。ただ機械的に作業しているだけの施術だったのです。

私にもそういった経験があったので面接を受けに来た人が「2~3割なら改善できる」というのは理解できました。しかし、今は「しっかりとした東洋医学専門の鍼灸施術なら9割以上改善できる」と断言できます。

陰陽五行を極めれば慢性症状も改善できる

例えば、肩こりと腰痛が主訴とする人がいたとします。

頭痛
眠りが浅い
生理痛
巻き爪
末端冷え性
胃酸過多症
潰瘍性大腸炎

これらの症状を併せて持っている場合、他の症状も一緒に改善するような鍼灸施術をしなければ主訴である肩こりや腰痛もよくならないのです。何かを施して肩こり、腰痛だけ改善することはないのです。

火のないところに煙は立ちません。この大本の原因の火から

潰瘍性大腸炎
胃酸過多症
肩こり
腰痛
鼻の症状
頭痛

などの症状が出ているのです。これは陰陽五行でしっかり説明ができます。陰陽五行を元に施術をして大元の原因も鎮火すれば、症状は出なくなります。

私は東洋医学の陰陽五行説に出会ったときに、真実を教えてもらったと感じました。もちろん他にも真実はあるかもしれません。ただ東洋医学の陰陽五行説は先ほど挙げたような症状の出かたをきちんと説明でき、その通りに施術することで狙ったように効果を出せるのです。

鍼灸院の独立を考えている方へ

施術で効果を上げるうちに当店は、最近なら土曜日だと140人以上の方が来るようになりました。今後も伸びると思います。本当に効果を出せる鍼灸施術を身につけ、他の院で改善できない症状を改善させることができるのは何物にも代えがたい強みになるのです。

私が入っている流派の鍼灸に限らず、患者さまの体を改善でき、再現性があり、そして為になる技術を身につけること。そうして来店されるお困りの方に精一杯施術をして、しっかり改善する。そうすると患者さまが「あそこで良くなった」と話を広めてくださるのです。

東洋はり灸整骨院は開業して14年になるますが、売上は毎年上がり、下がったことはありません。また、優秀なスタッフがやめても院の経営には影響がほとんどありません。これは結局、当店以外で改善できる院が少ないからです。

もちろん鍼灸院も宣伝費をかけて人を呼べば、治せなくてもうまくいくこともあるでしょう。しかし、そのやり方は長くは続かないと思います。

レストランや居酒屋、ダイニングバーなどの飲食店と同じです。丁寧に料理を作り、食べてもらって本当においしければそのお店には何度も来店しますよね。科学調味料まみれの美味しくない料理を作っても宣伝をすれば人は来ますので、経営は成り立つように感じるかもしれません。ですが、本物のお店が出てきた時には、経営が傾いてしまうでしょう。

おわりに

東洋はり灸整骨院は東京の町田にありますが、

九州
四国
関西
東北
北海道

と遠方からも問い合わせがきます。その度に調べて問い合わせをして、よさそうな院を紹介しています。困っている方は全国にいるのです。

これから鍼灸で頑張っていこうと思っている方は、ぜひ患者さまのためにもまっすぐな気持ちで本当に改善できる鍼灸技術を提供してほしいと思います。

志鍼塾

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何をどのように学べるのか、価格や入塾方法についても記載しています。

鍼灸師の地位向上と東洋医学の普及を目指し、仲間と共に成長していきましょう。

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