志鍼塾 塾長の石丸です。
今回は「まだ富士山でいうと一合目」についてお話したいと思います。
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社会が変わっていない
私は町田本院にいることが多いのですが、そこで治療を行っていると患者様から「石丸さんはほかにも店舗があって鍼灸師の数も多いし、もう大成功ですね」といわれることがあります。私はそのようにいわれたときにはいつも「私はまだまだですし、富士山でいうと一合目にも行っていないと思うんです」とお話しています。
それはなぜかというと、確かに当院は鍼灸院としては大きいですが社会が変わっていないからです。私が開業した18年前と比較しても社会はそれほど変わっていません。大学病院で鍼灸・漢方が使われる、一般の内科医が漢方を処方するなどの多少の変化もあり東洋医学が感じられるようにはなりました。しかし、治ることに保険適用化がされていないわけです。
治らない風邪が保険適用
たとえば、風邪をひいて病院に行ったとしても風邪の薬はありません。ネットで「風邪薬 ない」で検索していただければわかるとおり、風邪薬というものはありません。風邪薬はないのにもかかわらず病院に行くと保険適用となるわけです。
2014年の社会保障審議会ではこのときすでに風邪に対する保険適用の見直しが提言されています。なぜなら風邪薬というものがないからです。しかし、10年たった2024年現在でも保険適用のままであるにもかかわらず病院に行っても風邪は治りません。
溶連菌感染症の抗生物質はよいとしても風邪の9割はウイルス感染なので薬はありません。市販の葛根湯を服用して寝ていた方が早く治りますが、多くの方は病院に行き、薬を出されます。そして、これが保険適用となっているのが現状です。このように社会は変わっていません。
東洋医学と西洋医学を平等に
私は2024年3月現在、開業18年目となり6店舗を運営しています。この私が思う富士山でいう10合目とは、東洋医学と西洋医学が平等に扱われる社会です。つまり、治ることに保険適用してほしいと考えているわけです。
風邪に対して薬が有効であれば保険適用でもよいと思っていますが、溶連菌感染症以外は風邪薬というものはありません。治らないことには保険を適用せず、治ることに保険を適用すべきです。西洋医学で治る病気はたくさんありますが、東洋医学で治る病気もたくさんあるのです。
治ることに保険適用を
私は患者様とよく「おかしな話ですよね」とお話していますが、鍼治療で病気がよくなったとしても患者様は自費で治療費を支払っています。保険料を払っているはずなのに、なぜ治るところへ自費で通わなければいけないのでしょうか。
とくに慢性病は西洋医学ではなかなか難しいと思います。慢性という言葉自体が永続的に続くという意味なので西洋医学では対処療法しかないわけです。ですので、慢性病に対しては優位性がある東洋医学に保険を適用すべきです。そして、西洋医学が得意なものに対しては西洋医学に保険が適用されるということが当たり前ではないでしょうか。
患者様、つまり医療消費者としてはそうして欲しいはずです。ですので、私は西洋医学、東洋医学の区別なく治ることに保険適用してほしいと望んでいますが、今現在はまったくそのような状況にはありません。
本当の治療とは
たとえば高血圧になった場合、病院では血圧の薬を渡され、一生服用するようにいわれて終わりです。これは治療ではありません。本当の治療とは下記のような質問による生活習慣や環境の聞き取りから改善点をみつけ、体を変えることです。
- 普段は何を食べていますか?
- 1日に何食食べていますか?
- 何時に寝ていますか?
- 運動はされていますか?
- 喫煙はされていますか?
- 夫婦関係はいかがですか?
- 職場関係はいかがですか?
- 木造の家に住んでいますか?
- 鉄筋の家ですか?
- 日当たりのよいところに住んでいますか?
- それとも湿気の多いカビっぽいところに住んでいますか?
血圧が高いからといって薬を一生服薬させることは治療ではありません。医療の目的は患者様を減らすことですが、これがまったく成されていません。
この70年間で医療費は210倍に増えています。国民が納めた税金の7割弱が医療費にあてられているので、一納税者としてどうにかして欲しいと切に願います。
気づきから社会の変化へ
私が生きている間にできることは、富士山でいうと3合目くらいまでかと思っています。この3合目とは店舗数を30~300店舗にすることです。300店舗になると直営では無理なのでフランチャイズ化なども視野に規模を拡大したいと考えています。
このくらいの規模になると「病院に行けば何でも治してくれると思っていたけど、東洋医学の方が治るじゃないか」と気づきだす人たちが増えるはずです。そうなるとジワジワと社会も変わっていくのではないでしょうか。
革命のための礎を築く
3合目から10合目にいくためには私の死後、志のある方に頑張ってもらわなければいけません。政治的な動きが必要になるので、これは革命でもあります。正直なところ、非常に険しい道のりだとは思いますが、自分が生きている間にその礎を築きたいと思っています。
東洋医学の普及や復興が必ず鍼灸師の皆さんの幸せと成功になると私は確信しています。なぜかというと、患者様はたくさんいます。70年間で210倍に増えたこの44兆円分の患者様には慢性症状の方も非常に多いです。鍼灸師の皆さんにはこれらの患者様にご理解いただきつつ、どんどんと治すことで病人を減らしていただきたいと思います。
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鍼灸師の地位向上と東洋医学の普及を目指し、仲間と共に成長していきましょう。