鍼灸の臨床報告!(東洋医学に原因を確信した瞬間)

鍼灸師

鍼灸施術

志鍼塾 塾長の石丸です。

今回は「鍼灸の臨床報告」についてお話したいと思います。この臨床報告から初診時に東洋医学に原因があると確信した瞬間についてご説明します。

かなり簡単な症例ではありますが、私がこれは東洋医学でしか治せないと思った根拠やタイミングについてもお伝えしたいと思います。

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症状と来院までの経緯

患者様は49歳の男性です。主訴は左肩甲骨から肘、手までに出た痛みと痺れであり、この痛みと痺れが1年ほど続いているとのことでした。主訴のほかの症状としては花粉症、鼻炎、皮膚症状がありました。

この患者様は最初、整形外科に行きました。こういったケースでは年齢的にもほぼ100%の確率で「首の骨がおかしい」「神経を圧迫している」などといわれますが、やはり首に原因があると診断されたようです。

その後、ペインクリニックでブロック注射を受けましたが改善されず、紹介で行った鍼灸院では首回りと肩甲骨回り、腰回りに鍼治療も受けたそうです。

ここまで聞いた時点で私は西洋医学的な治療しかしていないと感じました。鍼灸院での治療も首や腰への鍼治療のみで運動器的、器質的な狙い方しかしていません。

西洋医学の診断は正しいのか

当院ではこの患者様に何をしたかというと、まずは頸椎圧迫テストを行いました。しかし、頸椎圧迫テストでは何も問題はありませんでした。

次に患者様に自分で症状の増減ができるかどうかをききました。たとえば、左に首を傾けるとビリビリと痛み、首をまっすぐにすると楽になるとします。この場合は本当に神経を圧迫しているために痛んでいると考えられます。

骨が神経にあたっていることが原因で症状が出ているのだとしたら、体の向きや頸椎圧迫テストで痛みが増減するはずです。このことから私は患者様に自分でその症状を再現できるかどうかを確認したわけです。

しかし、自分では症状の増減はできず急に壁に手を打ちつけたくなるほどの痛みが襲ってくることがあるとのことだったため、この時点で整形外科での診断は怪しくなりました。ただこれは整形外科やペインクリニックは西洋医学しか知らないので仕方がないことなのでしょう。

原因は循環の悪さ

さらに患者様にお話をきいていくと、毎回ではないそうですがパソコン使用時にとくに強い痛みを感じることが多いとのことでした。パソコン使用中のとくに首を動かしていない静止時に痛みを感じるわけです。では反対に歩いているときに症状を感じるか確認したところ、歩いているときには痛まないとのことでした。

つまり、この痛みは動いているときには出ず、静止時のみに出るわけです。ここで私は循環が悪いために出ている症状だと気づきました。循環の悪さからくる症状は東洋医学ではよくみられるケースです。

さらに入浴時には痛みが軽くなるとも話しており、この時点で首の骨が関係ないことは明白です。なぜなら入浴で首の骨が動くわけがないからです。

東洋医学を知らなければ治せない

私はいつも症状を蛍光灯にたとえて説明しますが、蛍光灯が点かないことが今回の患者様の主訴だとします。

これに対し、病院は「蛍光灯が壊れている(頸椎を圧迫している)」と診断し、鍼灸院も構造医学的に治療をしているため何も改善されません。

患者様のお話にあったとおり、歩いているときに楽になるのは動くため循環がよくなるからです。逆にパソコン使用時に痛むのは全身が動いていないため循環が悪いにもかかわらずエネルギーは要求されるからです。さらに入浴時には循環がよくなるため痛みも楽になるわけです。このことからも、原因はめぐっていないだけだとわかります。

痛みの原因に気づいたことでこの症状は簡単に治せると確信したため、私は患者様に「絶対に治ります」とお伝えしました。しかし、本当は簡単に治せるにもかかわらず、東洋医学を知らなければこの症状は延々と治りません。

東洋医学をよりスタンダードに

志鍼塾の方はおわかりだと思いますが、そのほかの症状に鼻炎と皮膚症状があるということは肺虚です。腕は肺の横にあることから肺虚の症状が腕に出ているだけなのです。私にいわせると、最初に診察した整形外科やペインクリニック、鍼灸院の診断は誤診です。鍼灸院ですら東洋医学ではないため、やはり東洋医学でなければいけないと思います。

私は患者様にもよくお話しますが、世の中の鍼灸院で病院も含めるとしっかりと東洋医学を専門にしているところは500件に1件ほどかと思います。鍼灸院だけでも100件に1件ほどでしょうが、非常に少ないために患者様が正しい鍼灸院にたどり着くことは困難だといえます。

ですので、私は常日頃から東洋医学がよりスタンダードにならなければいけないと感じています。このスタンダードになるというのは治療側も含めてです。治療側がしっかりとしなければ認知活動も減ってしまうためそこは重要な点だと思います。

西洋医学では治せない症状

今回の患者様のケースは邪をとり、体を盛り立てていくことですぐに治せます。治療の際に、私は患者様に「数回で症状の変化を感じ、おそらく5~6回で治ります」とお伝えしました。

このケースではそのほかの症状が少なく、患者様自身も非常にお元気そうだったため、私はすぐに治せると確信していました。しかし、西洋医学では5年、10年とかかっても延々と治らないでしょう。もし5年、10年かけて治ったとしてもそれは自然治癒でしかありません。

まとめ

以上が鍼灸の臨床報告ですが、今回、私が東洋医学に原因があると確信した点は下記の3つです。

  1. ブロック注射など西洋医学でしかみられていないこと
  2. 自分で症状の増減ができないこと
  3. 静止時にしか痛みがでないこと

ここから入浴時に楽になることや肩甲骨からの小腸経のラインにも症状が出ていたこと、そのほかの症状などから考えても間違いなく原因は東洋医学にあるとわかったわけです。そして、原因が東洋医学にある患者様は必ず治ると思います。

おわりに

今回は「鍼灸の臨床報告」についてお話ししました。非常に簡単な症例ですが東洋医学でなければ治せないと感じた瞬間をお伝えしました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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