志鍼塾 塾長の石丸です。今回は「鍼灸師にとってのブルーオーシャン」についてお話したいと思います。
以前、レッドオーシャンについてお話しましたが、今回はこれに対して鍼灸師が経営上、うまくいきやすい領域についてお話します。鍼灸の学生や鍼灸師の免許取得間もない人、鍼灸初心者はもちろん、鍼灸院を運営している人にとっても参考になる内容かと思います。
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鍼灸師に限られた領域
ブルーオーシャンとは市場に競合相手がほぼいない状態を指しますが、鍼灸師にとってのブルーオーシャンはどこなのかについてお話します。
まず、マッサージや整体、カイロプラクティックなどはレッドオーシャンです。これらは無資格者から柔道整復師、指圧師、理学療法士など、鍼灸師以外にも多くの参入がある領域です。
しかし、マッサージや整体は主に運動器疾患しか扱えないため鼻炎や潰瘍性大腸炎、機能性ディスペプシアなどは治せません。つまり、これらを治せる鍼灸こそが鍼灸師にとってのブルーオーシャンとなるわけです。
鍼灸専門の鍼灸師
鍼灸師にとってのブルーオーシャンは、鍼灸しかしないことが重要になります。実際は鍼灸以外のマッサージなどをしている鍼灸師の方が多いですが、それはレッドオーシャンです。鍼灸しかしない鍼灸師は全体の5%ほどになるかと思います。
この鍼灸を専門に行っている鍼灸師はその内容から大きく4つに分けられます。
まず1つ目が私も実践している経絡治療などを行う日本伝統鍼灸です。そして2つ目が中医学、3つ目が西洋医学的・自律神経的・スポーツ的に行う鍼灸、4つ目が美容鍼・不妊の鍼灸です。
3つ目の西洋医学的などの鍼灸は私としてはあまり好きではありません。鍼灸は何千年も東洋医学にもとづいて行われてきたはずですが、なぜ急に西洋医学なのかと疑問を感じます。治るものもあるかもしれませんが、東洋医学にはかなわないと思っています。
西洋医学的な鍼灸では治せない症状
西洋医学的な鍼灸はマッサージや整体に近いものがあり、鍼治療をしていたとしても下記のような症状は治せません。
- 潰瘍性大腸炎
- 機能性ディスペプシア
- 慢性胃炎
- 逆流性食道炎
- 慢性扁桃炎
- 後鼻漏
- 耳管開放症
- アトピー性皮膚炎
- 小児喘息
- 夜尿症
- 夜間頻尿
- 骨粗しょう症
- 胃痙攣
- 梅核気
- 脱毛症 など
自律神経的に不眠症などは治せるかもしれませんが、これらの症状は治せません。実践している人には申し訳ありませんが、西洋医学的な鍼灸は整体やカイロプラクティックの延長上で鍼を行っているだけなのです。
本来の鍼灸は東洋医学にある
鍼灸専門の4つからマッサージなどに近い西洋医学的な鍼灸と美容・不妊に特化した美容鍼、不妊の鍼灸の2つを除いた日本伝統鍼灸と中医学がブルーオーシャンだと私は考えています。
この2つは東洋医学です。そして鍼灸とは東洋医学であり鍼灸師は本来、東洋医学なのです。ここで急に自律神経やマッサージが出てくること自体がおかしなことです。
日本伝統鍼灸や中医学であれば、先ほどご紹介した西洋医学的な鍼灸では治せない症状も治せます。町田本院のYouTubeチャンネルでは実際に改善した患者様との対談動画がありますので、ぜひそちらをご覧ください。
私は日本伝統鍼灸と中医学でなければダメだと考えていますが、この2つこそが鍼灸師にとってのブルーオーシャンでもあります。なぜなら、これを実践している鍼灸師が非常に少ないからです。
慢性症状や多愁訴を治すのは鍼灸師
先ほど例にあげた潰瘍性大腸炎や機能性ディスペプシアなどは病院でも治りません。当然ですが、薬剤師や看護師でも治せないわけです。
ではこれらを治すのは誰かというと、鍼灸師なのです。鍼灸師が日本伝統鍼灸や中医学を実践して慢性症状や多愁訴の患者様を治していかなければいけません。
これは何度もお話していますが、多愁訴の患者様は東洋医学でしか治せません。たとえば、1人の患者様に下記のような複数の症状があったとします。
- 鼻が悪い
- 潰瘍性大腸炎
- 生理痛
- 皮膚症状
- 梅核気
- 逆流性食道炎
- 肩こり、腰痛
- 巻き爪
この場合、病院ですべての症状を治せるでしょうか。病院では難しいと思いますが、日本伝統鍼灸や中医学であれば何の問題もなく治せます。だからこそ多くの困っている患者様のために鍼灸師がやらなければいけないのです。
鍼灸師は立ち上がるべき
マッサージや整体、カイロプラクティックは鍼灸師以外の人に任せて、われわれ鍼灸師は鍼灸で患者様を治していくべきなのです。そして、この鍼灸専門の治療は世の中の鍼灸院ではほぼ行われていないブルーオーシャンなので、結果的にはうまくいくわけです。
世の中にあふれている飲食店の中に同じような飲食店を開店しても埋もれてしまいます。しかし、ほかにはない独自の美味しい食べ物を出す店であれば多くのお客様が来店して人気店になるでしょう。この人気店こそが日本伝統鍼灸と中医学だと私は考えています。
慢性症状、不定愁訴、多愁訴、内科系疾患には間違いなく東洋医学です。われわれのやり方では肺ガン、胃ガン、大腸ガンの鍼治療のほかにも白内障、緑内障、斜視の鍼治療もあります。実際に改善した例も多くあるので、やはり鍼灸師が治さなければいけないのです。ぜひ鍼灸師の皆さんには立ち上がっていただきたいと思います。
鍼灸専門のススメ
近年は鍼灸院も増えているため認知活動には苦労するかもしれませんが、鍼灸で改善できる事実を世の中に知っていただければ絶対に負けません。
マッサージや整体などのレッドオーシャンではなく鍼灸専門のブルーオーシャンにくることを強くオススメします。
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何をどのように学べるのか、価格や入塾方法についても記載しています。
鍼灸師の地位向上と東洋医学の普及を目指し、仲間と共に成長していきましょう。