鍼灸治療は右から?左から?

鍼灸師

陰陽とはり

志鍼塾 塾長の石丸です。今回も視聴者さんからの質問への回答です。

鍼灸師の先生から6つの質問をいただきました。

  1. 「不足を補い、余分を捨てる補瀉(ほしゃ)の手技」
  2. 「左右どちらからはじめる?3つの鍼灸治療の方法」
  3. 「いっぱいあるツボの中から最適解を見つける本治法の選穴」
  4. 「症状に合った、取り除きながら補うツボ・補瀉穴(ほしゃけつ)」
  5. 「全身と一点集中を併せた8種の手技」
  6. 「『一点集中!』直接施術を施す「標治法」の選穴」

こちらの順にお答えします。

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不足を補い、余分を捨てる補瀉の手技

簡単に説明すると、経穴に従って、手で体を触ってツボの位置を確認する「腧穴(しゅけつ)」を行い、手の親指にある船のような骨の「舟状骨(しゅうじょうこつ)」に押し手を作って、下に広げます。大地の気や天空の気、術者の気を鍼から経絡上を通して患者の五臓六腑の免疫力を高めていきます。

頭は、血の巡りを良くする等の取り除く治療法の「瀉法(しゃほう)」を使います。補う「補法」に対して、押し手の丸みを崩して、邪気を取り除く手技を行います。

補法の押し手の作り方は、東洋はり灸整骨院チャンネルで公開していますので、そちらを参考にしていただけると嬉しいです。

左右どちらから始める3つの鍼灸治療の方法

1つは、男性は活動的な場合が多く「陽」なので左から、女性はおおらか場合が多く「陰」なので右から始めます。

2つは、症状があると、陰陽が逆転します。基本的には障害を持つ人の障害のない側の「健側(けんそく)」から行います。男女関係なく、健側から実施します。左に症状があったら右から始める。症状がある箇所は外なる邪と内なる免疫力が闘争の最中で、何も問題がなく、症状に気付かない実証の状態なので、弱っていてもすぐに症状に気付く虚証から補います。

3つは、慢性症状の場合、邪が入って悪さをしているのではなく、そもそも内にあるものが症状を出して体調が悪化しています。補法を優先して患側(かんそく)から実施します。

数多くのツボの中から最適解を見つける本治法の選穴

本治法とは、からだ全体の調整を目的とする治療法です。

本来は「虚すればその母を補い、実すれば即ちこれを瀉(しゃ)す」という相互に生み、促進する相生法則により疾病を治療する時の基本原則を行い、不要なものを治療で取り除きますが、志鍼塾では、ほとんど五臓六腑の病気に応じて反応が出る「原穴」で対応します。

それ以外は、肺機能が低下し、風邪を引きやすい等の症状が現れる「肺虚」で紹介します。
喉や鼻等の呼吸器系の症状に効果的な手首にあるツボで、親指側の手首の付け根のくぼみにある「太淵(たいえん)」と下痢や嘔吐等の消火器系の症状に効果的な足のツボで、足の親指の内側にある骨の後ろにある「太白(たいはく)」がオススメです。

のぼせていたりむくんでいたりする人は、自律神経の乱れでバランスを崩している状態です。肘や股関節の周囲において気血の流れが合流する「合水穴(ごうすいけつ)」を一部使い、対処する場合があります。

症状に合った、取り除きながら補うツボ・補瀉穴

基本的に、補法、瀉法、滞った血の流れを外に出して良くする「輸瀉(ゆしゃ)」も原穴です。それ以外には、支持する流派の特徴的な考え方で、取り除きながら補う「補中の瀉」は、疾病の際に反応が現れる「絡穴(らくけつ)」を使います

全身と一点集中を併せた8種の手技

補法、瀉法、補中の瀉、輸瀉の4つは、からだ全体を調整します。

補的皮膚鍼(ほてきひふしん)、補的散鍼(ほてきさんしん)、瀉的皮膚鍼(しゃてきひふしん)、瀉的散鍼(しゃてきさんしん)の4つは、体表面の気の巡りを良くし、からだの凝っている箇所を取り除く手技です。

「一点集中!」直接施術を施す「標治法」の選穴

標治法とは、症状が現れている局所に直接施術を施す治療法です。

同じ腰痛でも他の症状があるとないとでは、治療法が異なります。

めまいなら、頭部にある「しん会(しんえ)」、顔面神経麻痺なら喉にある「扶突(ふとつ)」と肩にある「肩ぐう」、ものもらいなら、手の甲にある「合谷」と足の甲にある「陥谷」等があります。

おわりに

現役鍼灸師の経験を活かして、WEBセミナーのために、事前にいただいた6つの質問に簡単にお答えしました。

不眠に効果的な眉間の中央のツボ「印堂」、鼻詰まりに効果的な額の中央にあるツボの「上星(じょうせい)」等は、東洋はり灸整骨院のYouTubeチャンネルで公開しています。

今後も本治法や標治法、お灸の場所等を細かく説明しますので、楽しみにしてください。

志鍼塾

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何をどのように学べるのか、価格や入塾方法についても記載しています。

鍼灸師の地位向上と東洋医学の普及を目指し、仲間と共に成長していきましょう。

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