鍼灸師にとってのレッドオーシャンとは？【鍼灸院経営】

志鍼塾 塾長の石丸です。

今回は「鍼灸師にとってのレッドオーシャン」についてお話したいと思います。

同様の話は過去にも何度かしていますが、聞いたことがない人もいるかと思うので改めてお話します。とくに学生や開業したばかりの人には有益な内容だと思うので、ぜひ参考にしてください。

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競争の激しい血の海

レッドオーシャンとは血の海に由来した言葉であり、競争の激しい市場を指します。鍼灸師にとっての競争の激しいレッドオーシャンとは何かを鍼灸の学校に行き、免許をとり、開業を考えている場合を想定してお話していきます。

①マッサージ

鍼灸師にとってのレッドオーシャンの1つ目はマッサージです。

鍼灸師の免許をとり、開業をする際にマッサージを大きく取り入れるとします。ここで考えていただきたいのが、世の中にあるマッサージ店の多さです。「マッサージ」と書いていなくても、てもみん、りらくる、ほぐしの達人、Dr.stretch、カラダファクトリーなど皆さんもご存じのマッサージ店がすでに数多く存在しています。

このような資金力がありマーケティングにも長けた企業を相手にしたところで絶対に勝てません。さらにマッサージをしたところで患者様は治りません。

鍼灸師としてマッサージでは患者様を治せないうえに経営的にもうまくいかないでしょう。

②整体

2つ目は整体です。

整体はマッサージと比較すると治療らしくはなりますが、整体師は無資格でも就業が可能です。ですので、鍼灸師がわざわざ整体を行うと何のために鍼灸師の資格を取ったのかがわからなくなります。

また、マッサージと同様に整体を行うところは非常に多く、整体師も多いことから整体はまさにレッドオーシャンとなります。

加えて整体では内臓疾患は治せません。

③カイロプラクティック

3つ目はカイロプラクティックです。

カイロプラクティックも日本国内では国家資格がなく、だれにでも行えます。これを鍼灸師がわざわざ行う必要があるのでしょうか。

鍼灸師の資格を取るために数百万円のお金をかけたにもかかわらず、なぜカイロプラクティックを行っているのか私には疑問です。個人の考えがあるかとは思いますが、私は非常に気の毒だなと感じてしまいます。

さらにカイロプラクティックもどこでも行われていることからレッドオーシャンでしょう。

④エステ

4つ目はエステです。

エステもカイロプラクティックと同じく何のために鍼灸師の免許をとったのかと思ってしまいます。

⑤美容鍼

5つ目は美容鍼です。

美容鍼はここ10年ほどで流行してきたもので、鍼灸の学校でも「美容鍼をすれば儲かるよ」などと言う先生がいるそうです。

美容鍼は市民権を得ておりそれで構わないとは思いますが、やはり供給過多です。美容鍼で儲けようと考えている美容鍼の鍼灸院は非常に多いためなかなか難しいかと思います。

⑥不妊

6つ目は不妊です。

不妊鍼灸も非常に増えてきているためレッドオーシャンでしょう。参入を考えているところも含めるとかなりの数になると思います。

⑦慰安行為

7つ目がそのほかの慰安行為です。

慰安行為のほかにも福祉業界への参入などもレッドオーシャンといえます。

鍼灸師である意味

これらの７つはすべて供給過多でありレッドオーシャンです。加えて、私としてはなぜ鍼灸師の免許をとったのかと思ってしまうものばかりです。

マッサージやエステに鍼灸師の免許が必要でしょうか。確かに鍼灸師は国家資格ではありますが、ホームページに「国家資格」と記載したところで一般の人には響きません。国家資格保持者は世の中にたくさんいるため、これらのレッドオーシャンに新規参入をしてもおそらく成り立たないでしょう。

この中では美容鍼、不妊は当院でも扱っており、行ってもよいと思います。しかし、美容鍼だけ、不妊だけとなるとかなり難しいでしょう。そしてもっとも問題なのが、マッサージや整体などでは患者様は治らないことです。美容鍼や不妊は鍼灸師として効果が出せると思います。しかし、マッサージなどではほぼ治せません。

鍼灸院経営においてレッドオーシャンを避けるには「治すこと」に着眼点をおくことが重要だと思います。