鍼灸師が東洋医学をやるべき理由

塾長日誌

鍼灸施術

志鍼塾 塾長の石丸です。今回は、「鍼灸師が東洋医学をやるべき理由」と題してお話ししたいと思います。

このような内容については、これまでにも何度もお伝えしていますが、改めてお聞きいただければと思います。まずはこちらの動画からご覧ください。

動画解説:鍼灸師は東洋医学をやるのが一番成功しやすい

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鍼灸のベースは東洋医学

鍼灸師が東洋医学を実践すべき理由の1つ目は、そもそも鍼灸は東洋医学をベースとしているからです。

鍼灸は東洋医学をベースとした伝統医療であり、日本国内では1400年以上の長い歴史があります。しかしながら、現在では東洋医学をベースとしない鍼灸師が多くなっています。これはなぜかというと、その原因の1つに明治維新があげられます。明治維新により、文化だけでなく医学も西洋化が進みました。その結果、鍼灸も西洋医学を基盤とする流れが強まったのです。

現在、西洋医学が主流となっているため、鍼灸師も西洋医学を学ぶ必要があるとして、鍼灸学校のカリキュラムも西洋医学を中心に構成されています。また、実際に免許を取得しても、東洋医学を実践している就職先はほとんどありません。仮に東洋医学を実践している鍼灸院があったとしても、人を雇用できる力がないケースが多いのです。しかし、鍼灸は東洋医学をベースとして1400年以上も実践されてきたことを考えると、その本来の力は東洋医学でこそ発揮されるのです。

森を見て木を治す必要性

そして2つ目の理由は、慢性症状や多愁訴は体全体をみる必要があるからです。

慢性症状とは、以下のような慢性的に生じる症状を指します。

  • 慢性鼻炎
  • 慢性胃炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 強い生理痛
  • 片頭痛
  • 潰瘍性大腸炎 など

また、多愁訴とは下記のような不調が複数生じている状態を指します。

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 膝痛
  • 眠りが浅い
  • 鼻が悪い
  • 乾燥肌
  • 日中の頻尿 など

このような慢性症状や多愁訴の方に対して、運動器の処置しかできなければ、その他の症状は放置されてしまうことになります。

「肩こりや腰痛、膝痛には対応しますが、慢性胃炎は私の仕事ではないのでわかりません」「鼻が悪いと言われても、対応方法がわかりません」「潰瘍性大腸炎は一生治らないので、薬を飲んでいたらどうですか?」ではいけないのです。

このような「木を見て森を見ない」ではダメです。慢性症状や多愁訴の場合は、「木を見て森を見ない」のではなく、「森を見て木を治す」ことが必要なのです。そのためには、肩こりと腰痛が主訴だとしても「その他にどのような症状がありますか?」と尋ねることが重要です。たとえば、「生理痛があり、末端が冷えて鼻も悪いです」と言われた場合には、鼻の不調や末端冷え性、生理痛も改善できるように土台を整えながら、肩こりや腰痛に対応しなければ、単なる対症療法になってしまいます。

例えば、生理痛がある方は、生理や排卵の時期に体調を崩しやすい傾向があります。生理や排卵時に以下のような症状にお困りの方も多いと思います。

  • イライラ
  • 落ち込み
  • 腰痛
  • 頭痛 など

ですので、とくに女性はホルモン周期や婦人科系にトラブルがあると、さまざまな症状が出やすくなります。

このことからも、肩こりや腰痛でさえ「森を見て木を治す」アプローチが必要なのです。肩こり、腰痛だけに対応して、その他の症状を放置しているような鍼灸院では、改善は見込めないでしょう。

東洋医学の鍼灸を実践すべき

私は柔道整復師の資格も有しているため、整形外科や整体院、鍼灸整骨院、整骨院、カイロプラクティックなどでも働いてきましたが、やはり東洋医学を実践する鍼灸とは雲泥の差があると感じました。だからこそ、このことを理解して、ぜひ東洋医学を実践していただきたいと思います。

鍼灸師は、東洋医学を実践することで本当に素晴らしい力が発揮できるはずです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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