志鍼流!問診のコツ【石丸塾長の解説】

鍼灸師

石丸塾長

志鍼塾 塾長の石丸です。

今回は「問診のコツ」についてお話したいと思います。

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問診とは

問診とは望・聞・問・切のひとつであり、現代医学でも使われている診断方法です。問診では「どうされたのですか?」と患者様に実際に尋ねます。

志鍼塾ではこの問診によって証を立てることを1番の特徴としています。さらに、この証を立てるうえでは望・聞・問・切の中でも問診がもっとも高いウェイトを占めています。証が立てば治療法は自動的に決まりますが、逆にいうと証が立たなければ治療はできません。

通常はこの証立てが非常に難しいといわれています。しかし、志鍼塾では問診によって証を立てるため証立てしやすく、そのまま治療ができます。

問診で聞く項目

問診については、張介賓の『景岳全書』に詳しく書かれています。ここに書かれている問診の際に聞くべき10項目の中から4つを抜粋してご説明したいと思います。

1つ目は、寒熱です。悪寒がないか、発熱していないか、往来寒熱がないかを聞くようにとされています。

2つ目は、汗です。汗をかくか、かかないかから腠理の開き具合をみます。また、東洋医学では盗汗といいますが、寝汗をかいているとどこの臓器が弱っているかもわかるため汗の状況を聞くようにとされています。

3つ目は、便です。排便があるか、その頻度はどうかを聞きます。また、頻尿があるのか、ある場合は日中の頻尿なのか夜間頻尿なのかに加え尿の色なども聞きます。

4つ目は、飲食です。食欲があるのかどうかなどを聞きます。

従業員の待遇と未来

次に、皆さんの鍼灸院が晴れて拡大し、従業員を雇うようになったとします。この時、もっと稼ぐためにこの従業員をボロ雑巾のように扱ったとしたらどうでしょうか。おそらく従業員は辞めたいと思うでしょう。

従業員は自分と同じ感情を持っていると思ってください。自分が成功したいと思っていれば、従業員も100%成功したいと思っています。ですので、しっかりとした待遇と未来を提供しなければいけません。

症状を五臓に当てはめる

この問診について志鍼塾は非常に自信をもっています。志鍼塾では問診によって聞き出した症状を五臓に当てはめることで証を立てます。その際、生理学、二十四節気、色体表などを使います。

たとえば、問診で患者様が下記のようにいろいろな症状を訴えたとします。

・「頭が痛い」
・「朝、腰が痛い」
・「呼吸器が弱い」
・「末端が冷えている」
・「円形脱毛症がある」
・「口内炎をくり返す」
・「ヘルペスができやすい」
・「眠れない」
・「夜間頻尿がある」

これらの患者様から聞き出した症状を志鍼塾では五臓に当てはめていきます。この当てはめる際に用いるのが生理学、二十四節気、色体表です。これによってどこが弱っているのかが見えてきます。

弱っている部分は症状からわかる

患者様は自分の症状に対して嘘はつきません。片頭痛に困って来院された患者様が「お腹が痛くて」とは絶対にいません。ですので、生理学、二十四節気、色体表を用いて患者様の訴えた症状をそれぞれ五臓にあてはめていきます。仮に5つの症状があったとしたら、この症状は肺、この症状は肝、この症状も肝と当てはめていけばよいわけです。

たとえば、「グルグルめまいする」といわれた場合は肝の病証です。同じめまいでも「フワフワする」では腎が弱っていると考えられます。

頻尿でも日中の頻尿であれば肺、夜間頻尿であれば腎が弱っていると考えられます。

膝の痛みは、階段の上りの際に痛む場合は肝が弱っています。なぜかというと、筋肉を使って上るためにこの場合は肝が関係していると考えます。階段の下りの場合は腎です。下りの場合は骨がぶつかり合う時に起こる痛みなので、腎虚によって起きやすいわけです。

症状を聞き、五臓にあてはめていくとどこが弱っているかがわかります。それによって証を立てて治療を行うと、症状は実際によくなっていくわけです。

問診は簡単?

この問診については、患者様にどう聞くのかなどの問診方法についていっているわけではありません。そういったことも実際の鍼灸院運営には必要ですが、ここでお話しているのはそうではありません。

私は問診がもっとも簡単だと考えています。なぜかというと、先ほどお話した通り患者様は嘘をつきません。望診や聞診、脈診はわれわれ鍼灸師の主観になってしまい絶対に正しいかどうかがわかりません。

2~3人の鍼灸師で1人の患者様を望診、聞診、切診するとそれぞれの主観で判断するため、バラバラの診断になる可能性が高いです。しかし、問診だけは客観的な要素での診断が可能です。患者様が「頭が痛い」といえば、どの鍼灸師も「この人は頭が痛いんだな」と考えを共有できます。さらに患者様とも共有できるため、これが最強で間違いがないわけです。

問診が最重要ポイント

このことから私は問診に着眼点をおき、この方法を広めてきました。私が1人で鍼灸院を始め、その後、従業員を雇ってからは従業員に問診から証を立てる方法を教えたところしっかりと治していきました。さらにその教えた従業員がほかの人に教えてもしっかりと治していったことから、これはぜひ広めるべきだと思い志鍼塾を立ち上げました。現在、志鍼塾一期生の方の中からはたくさんの活躍されている方が出てきています。

志鍼塾は問診力ではなく、問診によって証を立てて治すことにかけては絶対に誰にも負けない自信があります。実際に当院は今、日本で1番大きな鍼灸院となっています。さらに当院の従業員や志鍼塾の塾生に教えてもこの方法でどんどんと患者様を治しています。

これは問診から生理学、二十四節気、色体表を合わせて治療してきた結果です。問診については『景岳全書』などいろいろとご説明しましたが、ここが最重要ポイントだと思っています。

志鍼塾

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鍼灸師の地位向上と東洋医学の普及を目指し、仲間と共に成長していきましょう。

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